Abend time's　（ＷＩＮＥ＆ＤＩＮＩＮＧ　アーベント)

先月行われた恒例のピノクラブ様主催のワイン会
　今回のテーマは

　『メドックを飲む会（第２級）』というものでした！！

フランスでも最高級のワインが生まれるボルドー。その歴史の中で1855年に誕生した”メドック格付け”
1級から5級まで名だたるワインが名を連ねる、その格付けの中から今回の会は第２級のものだけを比較で楽しむという、いつもながら大変贅沢な会となりました



１、　ＮＶ　　ブリアール・モリゼ　ラ・ベル・ブルー　ブラン・ド・ブラン

２、　1994　シャトー・タルボ・カイユ・ブラン

３、　1988　シャトー・モンローズ　（サン・テステフ）

４、　1988　シャトー・デュクリュ・ボーカイユ　（サン・ジュリアン）
　
５、　1988　シャトー・レオヴィル・ラスカーズ　（サン・ジュリアン）

６、　1988　シャトー・レオヴィル・ポワフェレ　（サン・ジュリアン）

７、　1986　シャトー・レオヴィル・ポワフェレ　（サン・ジュリアン）

８、　1986　シャトー・コス・デス・トゥルネル　（サン・テステフ）




上記リストをご覧頂いてもわかるように、今回は様々なことを比較できるラインナップです


　・1988年の各シャトー比較
　・1988年のサン・ジュリアン村、サン・テステフ村比較
　・シャトー・レオヴィル・ポワフェレの垂直比較　
などなど、ワイン会ならではの楽しみがいつも以上です


　いつも通りテイスティングの機会を頂きましたので少々感想を....

　②1994　シャトー・タルボ・カイユ・ブラン
若いボルドーブランに良くある、爽やかな白桃の香りが、この熟成したワインになると見事な熟した黄桃の香り！！
熟成によりフルーツが凝縮していく様がとても分かり易く出ていました。
元々が強い芳香ながら、30分ほどするとバニラやアニスのような香りが前面に出て、時間をかけて楽しめるワインでした。
アフターに感じるジャスミンティーのような華やかさもとても良かった！！

※ここからの赤ワインは全てデキャンタージュしています

　③1988　シャトー・モンローズ
もともとが自分の大好きなワイン！！サンテステフ村らしい豊満なボディーを期待してテイスティングするが.....
固い！！硬質な印象。骨格の強さ、ポテンシャルの高さは感じるもののしばらく置いておくことに。
約１時間後、じわじわ開いてきた！！カベルネソーヴィニヨンらしいヒマラヤ杉の香りはもちろん、黒系果実の凝縮感、胡椒やシナモンなどのスパイス、樹液、鉄分、生肉のような香り。まだ若い印象もありつつ、充分楽しめるものでした！

　④1988　シャトー・デュクリュ・ボーカイユ
これまた自分の好きなワイン（笑）
まずバランスがとても良い！！加えてエレガント！！酸を基調とした骨格、舌触りもとても滑らか。正にビロードの口当たり。
モンローズのようながっちり果実味ではなく、まずしっかりとした旨味。その後にやや上品に果実味が広がるかのようでした。

　⑤1988　シャトー・レオヴィル・ラスカーズ
デュクリュ・ボーカイユと同じサンジュリアン村ではあるが、色調がそのものよりやや濃い。外観からもより力強い様を感じる。
口当たりの滑らかさは、やはり砂利質のサンジュリアンらしさはあるものの、よりタニックであり、凝縮感からの力強さ！
より溌溂としたスパイスに、お香のような香りも感じる。同じ村のワインではあるものの、ここまで違いがあると面白い！！

　⑥1988　シャトー・レオヴィル・ポワフェレ
大変若々しい印象。アタックも強め。果実味が先行している。それに沿うように、酸、渋味、苦みが順序良く流れてくる。

　⑦1986　シャトー・レオヴィル・ポワフェレ
ここでシャトー・レオヴィル・ポワフェレの垂直比較！！ヴィンヤードの良し悪しか？88年のものより固い印象。
と同時によりポテンシャルの高さを感じる。やや粘度が強め、ストラクチャーが厚い。アタックも強め。甘み、酸、渋味、それぞれの要素も強く印象付けられる。長時間続く芳香の強さもこのワインの質の高さを物語っている。

　⑧1986　シャトー・コス・デス・トゥルネル
ここで最後にサンテステフのワイン。この年のコス・デス・トゥルネルは新樽率100％ということ！
なるほど、確かに香りにビターチョコレートやコーヒーの粉などをとても感じる。他にもカシスのリキュールやバルサミコのような凝縮した果実の香り。味わいも強い、ボリューム感や収斂性の強さを良く感じた。


毎回思うことですが、やはりワインは比較をすることでよりそのキャラクターを理解できる！、何より楽しむことができる！！
こういった素晴らしい機会を下さったピノ・クラブ様には大変感謝しています
この場をお借りして御礼申し上げます